【リフォーム1000】塗膜防水の保証期間・耐用年数(ウレタン系・FRP防水)

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◆塗膜防水の保証期間・耐用年数の解説

◆塗膜防水とは?

 塗膜防水とは、下地材の上に液体状のウレタン樹脂や合成樹脂エマルションを直接吹き付け、硬化に伴い防水皮膜を形成する防水工事の一つの手法の事じゃ。

 塗膜防水は、アスファルト防水やシート防水とは異なり液状である為、複雑な形状の箇所や狭い場所、また既に建築物や建築設備が設置されているフロアや基礎など幅広い用途で使うことが可能となっておる。

 尚、塗膜防水には主に「ウレタン系塗膜防水」「ゴムアスファルト系塗膜防水」「FRP系塗膜防水」「アクリルエマルション系塗膜防水」などの種類がある。

主な塗膜防水の種類【画像】

 どの系統の塗膜防水もそれぞれ特徴が異なり、耐用年数も異なってくるため、状況に応じて適切な種類を選択することが大切じゃ。

◆ウレタン塗膜防水の特徴と難点

 塗膜防水は前述した通り液状の高分子材料を塗布する防水工法であるため、複雑な形状の防水工事が可能であり接合部の欠損の心配もありません。

 また、塗料の着色も可能であるため、リフォーム工事、補修工事には利便性の高い建築防水であると言えます。

 但し、塗膜防水は液状であるため、下地面に凹凸がある場合は、凹んでいる部分に塗膜が集中するため、防水層の厚みを均一に保つことが難しいという難点があります。

塗膜防水のメリット・デメリット【画像】

◆シート防水の特徴と難点

 シート防水は、下地に直接接着剤などを利用してシートを貼りつける防水工法です。

 シート防水を採用する場合は下地がある程度平らな状態でなければいけません。

 そのため液状のウレタン系塗膜防水とは異なり、複雑な形状や凹凸の多い面には使用が難しくなります。

シート防水のメリット・デメリット【画像】

 シート防水の利点は施工が容易であるため結果的に工期が短くて済む点です。

 また下地の撤去工事も不要となる為、改修工事もしやすく、結果工期が短くなり施工費用も安価になります。

 塗膜防水は一定の耐用年数を過ぎると改修工事が必要になります。

 その為、改修工事がしやすいという利点はランニングコスト面を含めても大きなポイントとなります。

◆ウレタン系塗膜防水の特徴

 ウレタン系塗膜防水とは液体状のウレタン樹脂を塗膜防水に利用する防水工法です。

 施工ではコテやローラーで塗布し防水層を構築します。

 ウレタン系塗膜防水は塗布後、乾燥し成分が硬化するまでに時間がかかります。

 その為、重ね塗りする場合は翌日施工となるケースが大半です。

 硬化した後の防水層は弾力性があり、継ぎ目のない軽量の防水層となる点が大きな利点です。

◆塗膜防水の下地処理について

 ウレタン系塗膜防水を塗布する際は、事前に防水施工面のひび割れや目地の下地処理を施す必要があります。

 ひび割れ部分は、ウレタンシーリング材などで補填を行い下地の補修を行った後にウレタン系塗膜防水を行います。

 その為、ウレタン塗膜防水は仕上げの納まりが容易ではありますが、下地処理の制度が求められる防水工法です。

◆保証期間と耐用年数

 ウレタン塗膜防水の耐用年数は「建築防水の耐久性向上技術」に示してある目安によると10年と定められております。

 尚、同基準の目安では、押さえ防水層の耐用年数が17年、アスファルト防水、シート防水の耐用年数が13年となっております。

【塗膜防水の耐久年数・耐用年数の目安】
塗膜防水の種類耐久年数の目安耐用年数の目安
ウレタン塗膜防水10年~12年10年
シート防水12年~13年13年
FRP系塗膜防水10年程度10年
アスファルト塗膜防水15年~17年13年

 保証期間は建築請負契約を結ぶ施工会社によって異なります。

 保証期間が設定されている場合は一般的に、上記耐用年数表の耐用年数より短く設定されているケースが大半です。

 また、塗膜防水の保証は義務化されていないため業者によっては保証期間そのものを設定していない場合もあります。

 陸屋根などの屋上防水を行う場合は高額の施工費用がかかる為、契約時に保証期間を確認し5年に一度のメンテナンス契約を付帯するなどの詳細を詰めておき、必ず不利な契約にならないように注意しましょう。